序章





 世界が終わるその日がやってくる。
 そのときまで、共に生きていられるように……。


 一つの月が二つに割れる。
 同じ輝きを持ちながら。
 闇に包まれ、見えなくなっても、割れた月は元には戻らなかった。

 まるで何かが生まれる瞬間を待っていたような闇。
 それはすべてもを包む。
 正しいものも、間違っているものもすべて。
 何も見えない。
 だからわからなくなるのだ。
 ……何を信じたらいいのかさえ。


 ただ、闇は迫ってくるばかり。
 何をしたいのか。
 それはわからない。
 けれど、その闇を照らすたった一つの月が、真実かもしれない。


 ……ここに、光と闇の対立が誕生する。